物価連動国債は分散投資に使える?ETFを比較検討しました

資産運用

自分の資産ポートフォリオ配分をどうしたらよいのか、尽きない悩みです。最近読んだ本で物価連動国債という存在を知ったので情報を整理しつつ活用方法を検討していきます。

参考書籍

『世界のエリート投資家は何を考えているのか』(アンソニー・ロビンズ著)

YouTubeで見た動画の参考資料として引用されていましたので、興味があり購入しました。実際に動画では取り上げられていなかった物価連動国債について知ることができましたので良い買い物になったと思います。

物価連動国債とは?

物価連動国債とは、物価の変動に応じて利率や元本が調整される国債のことです。一般的な国債は、発行時に決められた固定の利率で利払いが行われますが、物価連動国債は、物価指数に連動して利率が変動します。つまり、物価が上昇すると利率も上昇し、物価が下降すると利率も下降します。

このように、物価連動国債は、インフレーションのリスクを回避できるというメリットがあります。また、物価連動国債は、元本も物価指数に連動して調整されます。つまり、満期時に返済される金額は、発行時の金額よりも高くなる可能性があります。このように、物価連動国債は、実質的な購買力を保護できるというメリットがあります。

『世界のエリート投資家は何を考えているのか』でも、一般的な国債と違いインフレに強い資産として分散投資の候補として挙げられています。

具体的な商品比較

では、実際の商品を見ていきましょう。今回はSBI証券で購入できる米国物価連動国債を二つ比較してみます。

バンガード 米国短期インフレ連動債 ETF(VTIP)

バンガード・米国短期インフレ連動債ETF(VANGUARD SHORT-TERM INFLATION-PROTECTED SECURITIES ETF)は、主に残存期間5年未満の米国債インフレ連動債を投資対象としています。物価上昇からの保護、および短期米国債インフレ連動債に見合ったインカム・ゲインを目指しています。バークレイズ米国TIPS(0-5年)インデックス(シリーズL)は、時価総額加重の指数であり、米国財務省が発行する残存期間5年未満のインフレ連動国債のパフォーマンスを測定しています。このETFは、物価変動に応じて元本と利子が調整されます。

iシェアーズ 米国物価連動国債 ETF(TIP)

iシェアーズ 米国物価連動国債 ETF(iShares TIPS Bond ETF)は、米国財務省のインフレ保護公的債務のパフォーマンスを測定するバークレイズ米国財務省インフレ連動証券(TIPS)インデックス(シリーズ-L)に連動する投資成果を目指した運用を行います。同指数は、投資適格の額面250百万ドル以上を持っている、少なくとも満期まで一年がある米国財務省インフレ保護公的に発行された証券が含まれています。同ファンドは、一般的に少なくとも90%資産を同指数の債券、並びに95%を米国国債に投資します。同ファンドの投資顧問はBlackRock Fund Advisorsです。

比較

VTIPTIP
経費率0.04%0.19%
分配利回り2.86%2.72%

青がVTIP、オレンジがTIPを示しています。VTIPが短期国債を扱っているのに対して、TIPは短期から長期まで取り扱っているためボラタリティが大きくなっています。グラフは配当調整済のものとなっています。

たとえボラタリティが大きくても暴落局面で株式と逆相関を示すのならば私にとっては有益なのですが、2020年のコロナショックにおいて正の相関を示しています。また最重要事項である経費率ですが、こちらもVTIPの方が優れています。私にとってはVTIPの方が適切な商品と言えそうです。

22年の相場でのヘッジを期待したいが・・・

直近の相場ですと株式も債券も下がった2022年の局面において物価連動国債はどのような動きをしているでしょうか。

青がVTIP、黄がGLD(金)、水色がNASDAQ100、赤がEDV(米国長期国債)を示しています。配当調整済です。

株式や長期国債が大きく落としているのに対して、微減となっています。実際はもう少し落ちているのですが、高インフレに伴い分配利回りが6%と高い水準となっていたためグラフのようになっています。欲を言えば逆相関をしてしてくれていたら良かったのですが、現金保有のままよりはマシということで最低限仕事はしているのではないでしょうか。

長期でみるとこのようになっています。緩やかに右肩上がりになっており、ボラタリティはほとんどありません。金以上に守りの資産と言えるのではないでしょうか。

まとめ

今回は物価連動国債について整理しました。

物価連動国債はいわゆる守りの資産で一般的な国債が苦手とするインフレ局面で力を発揮します。ボラタリティもほとんどなく、分配金もありますので現金保有していくよりは一部保有しておいてもいいかもしれません。

私としては、守りの資産としてポートフォリオへの追加を検討していますが、アセットを増やすとそれだけ管理が面倒になりますので、ゴールドだけでもいいのではという考えもあります。

今回読んだ『世界のエリート投資家は何を考えているのか』ではレイダリオ氏のオールシーズンズポートフォリオが詳細解説されていましたので、自分のポートフォリオを再設計しております。また、記事にして整理できたらと思います。

ご覧いただきありがとうございました。読んだ方の何かしらの参考になれば幸いです。

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