投資をする上でよく耳にするのが、時間を味方に付けろという格言です。この言葉の意味することは複数ありますが、複利の力を活用して効果的に資産形成をやろうというところだと私は考えております。
とはいえ、投資を始めたばかりですと元手も少ないため複利の力を感じにくいです。
こういう時に一気に資産を増やせる可能性があるレバレッジ商品にたどり着くのは自然なことなのかもしれません。今日は、債券ETFにレバレッジをかけることについて、私の経験を踏まえてお話ししたいと思います。特に、TMFのような高レバレッジ商品を保有している方には、耳を傾けていただきたい内容です。
結論
まず、結論から言わせてもらうと、レバレッジをかけた債券ETFはおすすめできません。なぜかというと、レバレッジ商品の特徴と債券ETFの特徴が悪い意味で相乗効果をもたらすからです。
レバレッジ商品の特徴
レバレッジ商品の持つ特徴の一つに逓減があります。
レバレッジ投資商品は、市場の指数に対して一定の倍率で連動することを目的としていますが、逓減という現象により、長期保有すると価値が減少する可能性があります。これは、市場の変動がある場合、特に上昇と下落が交互に繰り返されるレンジ相場では、複利効果によって基準価額が元の指数の動きよりも低くなることを指します。投資家はこのリスクを理解し、短期間での利益確定や損切りを適切に行う戦略が求められます。
中長期債券ETFの特徴
債券ETFの価格は金利によって上下します。これまでの歴史では、政策金利が高止まりした状態では、市場の金回りが悪くなるため、景気の悪化を織り込んで長期金利が徐々に低下していきます。
私も書籍でこの知識を得ていましたので、深く考えずに債券価格が上昇していくだろうという見込みからレバレッジ商品であるTMFを購入しました。しかしながら、現実はそう上手くは行きませんでした。
政策金利の動向は、債券ETFの価格に大きな影響を与えます。2024年初めには、年に6回の利下げが予想されていましたが、6月になってみれば、予想は1回の利下げに変わっています。このように、金利の見通しは日々の経済データによって変わりやすいので、レバレッジ商品の価格もそれに応じて変動します。レンジ相場の形成です。これが先ほど紹介したレバレッジ商品の弱点と合わさって価格がノンレバレッジ商品以上に低下してしまいました。
おすすめの商品
相場が読める人向け
しかし、相場の見極めが得意な方には、TMFも一考の価値があります。ただし、そのリスクを理解し、適切に管理できる方に限ります。
TMFは、Direxion社が運用するレバレッジ型ETFで、20年以上の米国債を対象としています。このETFは、ICE 20年超米国債インデックスをベンチマークとし、日次変動率にレバレッジ3倍をかけた商品です。投資家が長期米国債の価格変動を大きく捉えたい場合に適しており、経費率は比較的高いものの、分散投資効果やレバレッジによる大きなリターンの可能性を提供します。
価格変動が気にならない方向け
私のおすすめは、EDVです。
EDVは、バンガード社が提供する超長期米国債ETFで、20年以上の米国債券に投資しています。このETFは、特に金利の変動に敏感であり、そのため価格の変動が大きいという特徴があります。EDVの運用は0.06%と低い経費率で、分配金利回りは比較的高い水準を保っています。また、EDVは全て米国政府が発行した国債で構成されており、信用度が高いとされています。
レバレッジがかかっていないにも関わらず、ボラタリティが大きいため、高金利状態の時には特に魅力的です。
価格変動が気になりやすい方向け
ボラタリティが小さい方が好ましいという方には、IEFをおススメします。
IEFは、iシェアーズによって運用される米国国債7-10年ETFで、残存期間が7年を超え10年以下の米国財務省証券で構成される指数に連動する投資成果を目指しています。このETFは、投資家に中期の投資期間を提供し、経済の変動に対する中程度のリスクとリターンを求める方に適しています。経費率は0.15%で、安定した投資オプションとして知られています。
投資は計画的に、そして自分のスタイルに合った方法で行うことが大切です。レバレッジ商品は魅力的に見えるかもしれませんが、そのリスクをしっかりと理解した上で、慎重に取り組むようにしましょう。それでは、皆さんの投資が成功することを願っています!
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