米中“関税合戦”が再燃。株価はどうなる?今、私たちにできること

資産運用

2025年4月、再び米中の対立が激化しました。

米国は、中国製品に対して最大104%の関税を発動。対抗して中国も34%の報復関税を発動し、さらにレアアース輸出の制限にも踏み出しました。

ニュースを見て「またか」と思いつつも、マーケットを見ればS&P500は▲15%、NASDAQ100は▲21%と急落。投資家にとっては看過できない状況です。

そんな中、私はというと…

NASDAQ100が週足で5%下落したのを確認して、5%ルールを発動。買い増しを実行しました。

そして今、こう思っています。

「…いいから一旦だけでも戻ってくれ。3か月後のリバランスまででいいから!」(笑)

この記事では、そんな本音と共に、
米中関税問題の本質・今後のリスク・投資家としての構え方について、私なりの視点をまとめます。


【1】いま起きていること:米中関税“第2ラウンド”の始まり

今回の対立は、単なる貿易摩擦ではありません。政治的・経済的な覇権争いの一部であり、「テクノロジー×経済安全保障」が背後にある長期的なテーマです。

トランプ政権は、中国に対する強硬姿勢を鮮明にし、104%という異常な関税率を設定。対抗措置として、中国はアメリカ製品への報復関税とともに、戦略資源であるレアアースの輸出制限を発表。

市場は一時的に大きく動揺しましたが、「とりあえず発動されたことで悪材料は出尽くした」として、短期的には自律反発の動きも見られます。


【2】見えてきた3つのリスク:これはまだ“序章”かもしれない

(1)インフレと景気減速が同時に進む「スタグフレーション」の兆し

  • 関税=輸入物価の上昇 → 消費者物価の上昇
  • 一方で企業コストが増え、利益率が圧迫
  • 結果:消費冷え込み+企業の雇用・投資の抑制という悪循環へ

インフレは、中央銀行の金融政策にも影響します。利下げが遠のく一方、景気は冷え込む。このジレンマが市場の神経を逆なでしています。


(2)実体経済指標が崩れれば“第2波”の下落も

現時点では「関税ショック」は株価に反映済みですが、経済指標や企業決算にはタイムラグで影響が出ます。

  • PMIが50を割り込めば、製造業の収縮サイン
  • 小売売上や雇用統計が鈍れば、家計への打撃が顕在化
  • Q2決算で企業が「関税の影響で減益」と発表すれば、株価の再下落も現実味を帯びる

今は“悪材料出尽くし”ではなく、“嵐の前の静けさ”かもしれません。


(3)本当の火薬庫:中国による“米国債売り”

中国は8,000億ドル以上の米国債を保有しています。もしこの一部でも売却されれば:

  • 米国債価格が下落 → 長期金利が急騰
  • 株式市場にとっては大打撃(特にグロース株)
  • 住宅ローンや企業融資の金利も上昇 → 実体経済が冷え込む

「関税×金利上昇」のダブルパンチは、相場を一段と不安定にします。

今のところ中国はこのカードを切っていませんが、報復の最後の切り札として温存されているのは間違いありません。


【3】それでも私は買い増した。ルールがあるから。

こうしたリスクを承知の上で、私はNASDAQ100を買い増しました。
なぜなら「週足で5%下落したら追加投資」という、自分で決めたルールがあったからです。

マーケットが不安定なときほど、「ルールを守ること」が難しい。
だからこそ、行動できたこと自体を自分で評価したいと思っています。


【4】投資家として今できる3つのこと

① 感情ではなく“ルールと仕組み”で投資を続ける

  • 積立NISAやiDeCoをベースに、自動で投資を続ける
  • 急落時だけはルールを設けて追加投資(5%ルールなど)

② 分散と余力を意識する

  • 株式だけでなく債券・金・現金など、適度にリスクを散らす
  • 一度に全力投資せず、段階的に買い増せる余力を残す

③ 自分の「投資原則」を振り返っておく

  • 目先のニュースに振り回されないためには、自分軸が必要
  • 過去の成功・失敗も含めて「自分に合った戦略」を確認

【5】まとめ:不安定な時代に問われるのは、“どう向き合うか”

米中の関税合戦は、短期的には株価の材料出尽くしになるかもしれません。
でも、実体経済の鈍化や金利上昇といった“第2波”のリスクは、まだ消えていません。

そんなときに大切なのは、未来を完璧に予測することではなく、どう備えてどう動くか。

もしあなたが、下落に焦りながらも「積立は止めずに続けた」なら、
もしあなたが、不安を感じながらも「ルール通り買い増せた」なら、
それはすでに、大多数の投資家より一歩先に進んでいます。

「不安の中でも、考えて動けたかどうか」が、未来の自分を救います。

関税も、金利も、世界経済も――一緒に見守っていきましょう。

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