TMFが下がる理由と対処法|含み損から始める債券ETFリバランスとMMF・EDV活用法

資産運用

最近、X(旧Twitter)で、こんな言葉をよく見かけます。

「FRBが利下げ方向なのに、なぜ長期金利が上がってる?」

「債券って、もっと安定してると思ってたのに…」

──わかります。

私も米長期債ETF「TMF」をそれなりの割合で保有しています。

正直、含み損も出ています。

でも、今すぐに売るつもりはありません。

それは「自信があるから」ではなく、

“わからないからこそ、少しずつ軸を整えていこう”という考えです。

債券が売られる理由は、金利だけじゃない

「利下げ=長期金利低下=債券価格上昇」というロジックが通じない今の市場。

その理由は、単なる金利政策では説明できません。

背後にあるのは、「市場の信頼」が揺らいでいるという、もっと大きな構造的な動きです。

中国が米国債を売っているのでは?

私は、米国債の下落には中国の戦略的な売却が関わっている可能性があると見ています。

米中関係の緊張(関税・台湾・半導体など) 人民元防衛や外貨準備構成の見直し ロシア制裁を見た上での「ドル資産リスク」への備え

米国債はこれまで「持っておけば安心」とされてきた資産でしたが、地政学的なリスクがその安心を揺るがしているのかもしれません。

これは「信用の再評価」かもしれない

より広い視点で見れば、これは米国という国家への信用が、静かに値引きされている現象とも言えます。

財政赤字と金利負担の急拡大 トランプ再登場の可能性 日本・中東・中国などの米国債保有減少

つまり、米国債が「無条件で買われる資産」ではなくなりつつある──

これが、金利と価格が“逆に動く”今の不思議な状況の根っこにあるのかもしれません。

TMFは売らない。でも、リバランスでは減らす

私は今、TMFをすぐには売りません。

ですが、「ずっと持ち続ける」つもりもありません。

先日、NASDAQ100が週足で▲5%以上下落し、私の投資ルールの一つである「5%ルール」に基づき、買いサインが点灯しました。

それに応じて、次のリバランス(約3ヶ月後)で、TMFの比率を戦略的に減らす予定です。

感情で売るのではなく、あらかじめ決めていた“整えのタイミング”で動く。

これが、自分なりの納得のある投資行動です。

ゴールドや株との損益通算で、痛みをやわらげる

次回のリバランスでは、ゴールドや株にも含み益が出ている可能性があります。

これらを一部利確し、TMFの損失と損益通算すれば、税負担を抑えてポートフォリオを再構築できます。

「損を損のままで終わらせない」ために、利益とセットで動かす。

これも、リバランスの重要な役割です。

現在のポートフォリオ構成と、私なりの備え

以下が、現在の私のポートフォリオ構成です。

TMFやゴールド、株式、そして流動性──すべてが「次の行動のための土台」となるよう考えて配置しています。

なぜMMFを22%までに抑えているのか?ユダヤの教えから

私がMMF(マネー・マーケット・ファンド)の比率を最大22%までと決めているのは、

ただの資産配分の話ではありません。

背景には、古くから伝わるユダヤの知恵があります。

「財産は三等分せよ。一つは土地に、一つは商いに、一つは手元に置け。」

この格言を現代に置き換えると、

株・債券などのリスク資産(=土地) 収入源や自分への投資(=商い) 現金・MMFなどの流動性資産(=手元)

この3つのバランスが、資産を守り、チャンスをつかむ基本構成になると考えています。

だから私は、「守りの流動性」としてMMFを多すぎず、でも確実に持っておくようにしています。

EDVもすでに保有。今後はTMFではなくこちらを使う予定

TMFを減らしたあとの債券枠について、私はEDV(超長期米国債ETF)をすでにある程度保有しています。

今後アメリカ長期国債に投資するなら、新たにTMFを買い増すのではなく、EDVの方を選ぶ方針です。

EDVもデュレーションが長いためリスクはありますが、

TMFのようなレバレッジETFに比べれば値動きは穏やかで扱いやすいと感じています。

これからは、リスクと向き合いながら、それを自分の中で調整していく。

それが、いまの自分にとって一番納得できる選択です。

最後に:自信がなくても、整えていく

私は、すべてを見通しているわけではありません。

自信満々なわけでもないし、含み損に不安がないわけでもない。

でも、「わからないから何もしない」のではなく、

“わからないなりに整えておく”ことはできる。

TMFは今は売らないけど、次のタイミングで減らす MMFとEDVで、リスクと流動性のバランスをとる ゴールドや株の含み益を使って、損益通算という形で痛みをやわらげる

投資で大事なのは、“当てること”じゃなく、“備えること”。

私はそう信じています。