プラチナNISAのデメリットと活用法を徹底解説|私が選ぶおすすめ商品と資産運用の考え方

資産運用

はじめに

「これからは、年金にプラスして毎月お金が入る制度ができるらしいな。安心できる時代になったもんだよ。」

最近、退職を控えた直属の上司がそう言ってきました。
話題にしていたのは、金融庁が2026年度に創設を目指している新制度、「プラチナNISA」。

これは60代以上の方や定年後のライフプランを考える世代を対象とし、これまで非課税対象外だった“毎月分配型投資信託”が使えるようになる見込みです。

制度の目的自体は理解できます。
年金に加えて毎月の現金収入があるという安心感を求める声は、実際に多く聞かれます。

でも――
“毎月もらえる”という言葉には、思わぬ落とし穴がある。
私は、上司の言葉にやんわりと返しながら、心の中で強くそう思っていました。


あなたにとって、プラチナNISAは本当に必要?

まずは以下の質問に「はい or いいえ」で答えてみてください。

  • □ 年金だけでは将来が不安だと感じている
  • □ 毎月お金が入ってくると安心する
  • □ 大きな損はしたくない
  • □ 投資のことは詳しくないけど、制度は使ってみたい
  • □ 運用というより“使いやすさ”を重視したい

3つ以上「はい」だった方へ
→ 今回の記事はきっとお役に立てるはずです。
プラチナNISAのしくみと注意点、私ならどう使うかという視点から丁寧に解説していきます。


プラチナNISAとは?制度の概要

プラチナNISAは、金融庁が2026年度の税制改正を目指して検討している非課税投資制度で、主に以下の特徴があります。

  • 対象者:65歳以上のシニア世代を想定
  • 投資対象:毎月分配型投資信託が非課税対象に
  • 目的:年金補完や生活資金への活用を想定

これまでNISAでは除外されていた「毎月分配型」の投信が、使えるようになる点が最大の違いです。


プラチナNISAのデメリットと注意点

分配金=利益とは限らない

毎月分配型の投資信託では、運用がうまくいかないときに元本を取り崩して分配金を出すケースがあります。
つまり、「もらえている」と感じる一方で、実は自分の資産が減っている可能性もあるのです。

手数料が高めの商品が多い

毎月分配型ファンドには、信託報酬や販売手数料が割高なものが少なくありません。
非課税で得られるメリットより、コストの方が上回ってしまうことも。

安心感に訴える“売りやすい商品”である

「毎月お金がもらえる」という心理的安心感が、内容を十分に確認せずに商品を選ぶ誘因になりがちです。
制度のゆるさに便乗して売られる商品には注意が必要です。


私ならこう選ぶ:プラチナNISAの活用法と商品選びの視点

私は投資助言を行う資格はありませんが、もし自分がプラチナNISAを活用するなら、次のような観点で商品を選ぶと思います。

安定志向なら:低コストの債券型ファンドを軸に

資産を守りたいという意識が強いので、値動きが穏やかでコストの低い債券型インデックスファンドを中心に考えます。

  • eMAXIS Slim 先進国債券インデックス
  • たわらノーロード 先進国債券(為替ヘッジあり)
  • SBI・iシェアーズ・米国総合債券インデックス・ファンド

※上記はあくまで私が検討対象とする商品であり、購入を推奨するものではありません。

インフレに備えたいなら:物価連動型ファンドを検討

将来的な生活費や医療費の上昇に備えるなら、物価連動型の国債ファンドを選択肢に入れます。

  • eMAXIS 国内物価連動国債インデックス
  • 日本物価連動国債ファンド(大和AM)

投資に慣れているなら:分散ポートフォリオでバランスを取る

ある程度経験がある方なら、以下のような複数資産を組み合わせてリスク分散を意識します。

資産クラス私が意識している役割
債券ポートフォリオの安定性の土台
ゴールドインフレ・有事リスクへの備え
高配当株式インカムと中長期の成長性
バランスファンド分散投資の手間を軽減できる便利枠

私の場合の使い方イメージ(※あくまで一例です)

プラチナNISAの非課税枠を使うなら、
コアには債券型のファンドを据えつつ、
サテライトで物価連動型や配当系の投信を織り交ぜる――
そんな“守りながら活かす”運用を考えるかもしれません。


こんな未来も、あるかもしれません

Aさんの選択:

「銀行で勧められたから」と毎月分配型の投資信託を始めた。
最初は毎月お金が入ってくる安心感で満足していたけれど…
数年後、資産が思ったより減っていて、取り戻せない不安に気づく。

Bさんの選択:

「将来に備えたい」と思い、自分で調べて低コストの債券型や物価連動型のファンドを選んだ。
収入は少なくても、「このままなら老後も安心だ」と思える運用ができた。

あなたは、どちらの未来に近づきたいですか?


よくある誤解Q&A

Q. 安心したくて「毎月分配型」を選んだ。それって間違ってるの?

A. いいえ、それは自然な気持ちです。
「毎月お金が入る=安心」と感じるのは当然です。
でも、その“安心”が本当に続くかどうか。
少しだけ、立ち止まって中身を見てみましょう。

Q. 「お金が入る」ってことは、得してるってことじゃないの?

A. 必ずしもそうとは限りません。
分配金の一部が、自分のお金(元本)から出ている可能性もあるんです。
通帳にお金が入っても、資産全体が減っていたら…?
本当に“増えている”とは言えませんよね。

Q. 結局、何を買えば安心できるんだろう?

A. それは「あなたが何を大切にしたいか」によります。
“減らさないこと”が大切なら、値動きの少ない資産。
“育てること”が大切なら、長く持てる資産。
正解は「あなたの中」にあります。

Q. 投資ってやっぱり難しいし、不安…

A. それも正直な気持ちです。
だからこそ、制度や商品に振り回されず、
“自分の基準”を持つことが、何よりも安心につながります。

(※このQ&Aは、筆者がかつて抱いた疑問や経験をもとに構成しています)


最後に|制度ではなく、“あなたの未来”を軸に

制度がどう変わるかよりも、
あなたの「安心」はどこにあるのかを考えることが大切です。

“今の自分”は、“未来の自分”のために何を選ぶのか?

その問いに向き合う時間が、きっとあなたの資産と心の土台になります。


この記事が届いてほしい人へ

  • よくわからないけど、不安を感じている人
  • 制度を使いたいけれど、どれが正解か分からない人
  • 周りに流されず、自分で判断したい人

そんなあなたのために、この記事を書きました。


※本記事は筆者個人の考え・体験をもとに記載したものであり、特定の金融商品の取得を勧誘・推奨するものではありません。
投資判断はご自身の責任において、信頼できる情報源や専門家の助言をもとに行ってください。

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